〜裁判の進行、次回日程合わせにハラハラ!?〜
 
裁判にも段階や種類がいろいろあり、
たとえば尋問の日、和解の日、争点整理の日など様々です。
それでも、どの段階でも必ず行われることが一つあります。
それは、「次回期日の決定」。

次回期日は裁判所の一存で決定されるものではありません。
弁護士や出席者の意見を聞いて決めていきます。
弁護士としては予定が空いていれば即OKというわけにもいきません。
打ち合わせや証拠収集などの準備に費やす時間を予測し、
依頼者の立場も考えつつ、
予定をコントロールする必要があるからです。

「さて次回期日ですが」と裁判官に言われると、
私たち弁護士はおもむろに手帳を開きます。
「○月○日○時はどうですか?」と裁判官にきかれ、
弁護士は「準備に時間がかかる見込みなのでもう少し先にしてください」
「その日は別件が入っています」「実は夏休みでして…」
等と予定と照らして答えていきます。
こうして全員の予定がうまく合うときが見つかって、
ようやく次回期日が決定されるわけです。

当事者が多い事件や弁護団事件では、
関わる弁護士の数が多いことがあり、
こうなると次回期日の決定も大変です。

私は今のところ10名の弁護士が関与する事件が最大ですが、
裁判官3名と合わせて13名の予定を合わせるとなると、
次回期日がなかなか決まりません。
いくつもの候補日が、
誰かの「その日は予定があります」という言葉で却下されていき、
繰り返すほどに「その日は…」という声は
小さく細く申し訳なさそうになります。
裁判長が少し苛つきはじめたりすると、
私までなんだかハラハラしてしまいます。
こうしてようやく期日が決まると、
まるでひと仕事終えたかのように一同ほっと肩を下ろすのでした。

こんな場面、法廷もののドラマでは決して映らないでしょう。
事件を扱っているはずなのにどこかのんびりとしていて、
なんだか少し滑稽で。
でも、これも裁判の隠れた駆け引きなのです。





■筆者プロフィール■
弁護士:河住志保(かわすみしほ)
横浜開港法律事務所
平成12年10月弁護士登録。慶応大学法学部卒業。山梨県身延町出身
石川法律事務所、横浜マリン法律事務所を経て、独立
主に少年事件や子どもの権利・法律問題、マンション問題に取り組んでいる
◆関連サイト◆
横浜開港法律事務所 http://www.kaikou-law.com/