〜ときどき本気で怒り爆発!?〜

友達からよく「ボーっとしてる」といわれる私は、
日常生活の中で何かに怒るということはほとんどありません。
ですが、弁護士の仕事をはじめてからは、
ときどき本気で怒りをおぼえる場面に直面するようになりました。

夫の暴力を原因とする離婚事件を受けたときのことです。
夫に抵抗すればエスカレートするので、
そのうち殴られている間も
台所の隅にうずくまってされるがままになっていたという奥さん。
何十年も耐えた挙句、
やっと夫から逃げて離婚を請求したいといえるようになったのです。

裁判所に訴状を出すと、
その夫から私の事務所に電話がかかってくるようになりました。
「女房の居所を教えろ」にはじまり、
それを拒絶すると
「品のない訴状にお前の人間性が全部出ている。女として失格だ」
「どうせ30歳過ぎのオールドミスだろう」(私はまだ20代です!)
などと怒鳴りまくります。  

私個人への中傷は聞き流すとしても、
最後には
「夫が女房を殴って何が悪い。それに耐えるのが大和撫子だ」
などと言うので、思わず反論。
気が付けば1時間以上も口論していたこともありました。

電話が終わって
「なんなのよ!」
としばらく怒りにまかせて事務所のお菓子を自棄食いしていましたが、
ふと思えば、
奥さんはこの調子でずっと罵倒され続けていたのでしょう。
私は何としても奥さんの主張を裁判所にもわかってもらおう、
徹底的に戦おうと決意を固めたのでした。

言い争いは好きではありませんが、
正当な怒りのパワーは大切だと感じています。

裁判では、こちらの言い分がすべて認められて離婚は成立。
これまで耐えるだけだった奥さんが勇気を出し、
夫の暴力から解放されました。
やっぱり我慢してばかりじゃダメです。

時には本気で怒らなきゃ!




■筆者プロフィール■
弁護士:河住志保(かわすみしほ)
横浜開港法律事務所
平成12年10月弁護士登録。慶応大学法学部卒業。山梨県身延町出身
石川法律事務所、横浜マリン法律事務所を経て、独立
主に少年事件や子どもの権利・法律問題、マンション問題に取り組んでいる
◆関連サイト◆
横浜開港法律事務所 http://www.kaikou-law.com/