〜引越し先マンションに騒々しい飲み屋
でも、住民の仲はとてもいいんです〜

マンションの住民同士で住まい方をめぐって起こるトラブルの背景には、
様々な要因から、
そもそもコミュニケーションがうまくとれていない
という事情があることが多いようです。
それぞれの生活環境や経済観念などが大きく違う場合は、特にですね。

ワンルームからファミリータイプまで様々な形の部屋があるマンションでは、
そこに住もうと思った住民の生活環境や考え方が全然違うので、
どうしても理解し合えないことがある場合もあります。

例えば、小さな子どものいるママは
「子どもが多少騒いでも仕方ないでしょ」
と思うし、
ハードな仕事に追われている一人暮らしのOLは
「夜中に洗濯機を回したって大目にみて」と思ったりします。

そして、その違いが最も顕著なのは、
なんといっても店舗部分が混在した
複合型マンションではないでしょうか。

マンションの法律相談をしていると、
店舗と住居の区分所有者が対立してしまうケースをよく目にします。
店舗側はそこで商売をし、住居側はそこが日常生活の場なのですから、
当然といえば当然のことかもしれません。

ところで、私も最近引越しをして、
そんな店舗のある分譲複合型マンションの一室に、
賃借人として入居することになりました。
転居にあたって、不動産屋さんに恐る恐る聞かれました。
「店舗の中には飲み屋もあって結構うるさいんですけど、大丈夫ですか?」

覚悟の上で引っ越した私ですが、
確かに週末の夜ともなれば、道路で酔っ払いが大騒ぎして、
「まったくもう!」と思うことも。

しかし、不思議なことに、
このマンションの居住者は、
私の知る限りとても和やかで仲が良いのです。
昔からこのあたりに住んでいるという優しそうなおばあちゃんも、
専有部分で英会話教室を開催している外国人も、
そしてその賑やかな飲み屋の店長も、
出くわせばにこやかに挨拶を交わし、
何気ない世間話を楽しそうに語り合っています。

もしかして、それがうまくやっていくための一番のコツなのかも、
なんて思ったりします。

価値観の違いは、そう簡単に埋められるものではありません。
でも、まずは仲良くするところから、
そして会話をするところからはじめれば、
歩み寄ったりできることもあるのかもしれません。





■筆者プロフィール■
弁護士:河住志保(かわすみしほ)
横浜開港法律事務所
平成12年10月弁護士登録。慶応大学法学部卒業。山梨県身延町出身
石川法律事務所、横浜マリン法律事務所を経て、独立
主に少年事件や子どもの権利・法律問題、マンション問題に取り組んでいる
◆関連サイト◆
横浜開港法律事務所 http://www.kaikou-law.com/