〜プライバシー保護重視のご時世、
個人情報の取扱には注意を!〜

まがりなりにも法曹界にいるため、
新しい法律は、大枠だけでも頭に入れておかなければなりません。
でも、手持ち事件で精一杯の毎日、
なかなか腰を据えて勉強する余裕がないのが正直なところです。

だからといって、「わからない」ままではいけません。
そのため、その分野に詳しい先輩弁護士や各種専門家などの話に
耳を傾け、頭にインプットするように心がけています。
いざ実際の仕事に関係するときにも、
どこをポイントにすればよいか手がかりがわかるようにするためです。

ちなみに、4月1日に全面施行される個人情報保護法はこんな感じです。

マンション管理に関係する個人情報には、
区分所有者名簿、入居者名簿、各戸の緊急連絡先、
管理費等の収納状況データ、アンケート結果の内容などがありますが、
情報が流れて、流行の「振込詐欺」なんかに利用されてはたまりません
ですから管理会社などでは、
もうすでに情報管理や運用の仕方をマニュアル化し、
実践しているところもあるようです。

管理組合についてもこの法律が適用されると考えます。
法第2条、法律の対象である「個人情報取扱事業者」とは、
「名簿屋」のようなものを連想するかもしれませんが、
そもそもこの法律は、
事業者が持つ個人情報の取り扱い方の適正なルールを定めよう
ということで制定されたものです。
法律でいう「事業」とは、営利目的に限らず、
広く事業とみられる社会性を持ったものと考えられます。

管理組合の活動も、単なる親睦活動ではなく、
マンションの適切な維持管理のために、
大規模修繕等の社会性のある業務を遂行しているので
「事業」といえそうです。
ただし、5000人以下のデータベースしかない事業者は除外されるので、
ほとんどの管理組合は本法の対象にはなりませんが。

とはいえ、
このような法律が施行されるご時世、
もし個人情報の横流しなどが発覚したら、
事業者かどうかという次元ではなく、
理事会の信頼失墜、
他の住民から白い目で見られることもにもなりかねません。
そちらのほうがつらかったりして…。

気をつけることは、名簿がどんなときに見られるかはもちろん、
管理費等の滞納者の名前の開示について、
防犯カメラの映像の見方など、いろいろあります。
いずれにしても今はプライバシー保護が非常に重視されています。

後で嫌な思いをしないよう、
理事会で一度話し合ってみてはいかがでしょうか。





■筆者プロフィール■
弁護士:河住志保(かわすみしほ)
横浜開港法律事務所
平成12年10月弁護士登録。慶応大学法学部卒業。山梨県身延町出身
石川法律事務所、横浜マリン法律事務所を経て、独立
主に少年事件や子どもの権利・法律問題、マンション問題に取り組んでいる
◆関連サイト◆
横浜開港法律事務所 http://www.kaikou-law.com/