〜マンション裁判、和解で決着を!〜

そもそも、管理組合は何のために裁判をやるのでしょうか。

私の経験上、滞納管理費等の回収が大多数です。
それから、共用部分の使い方をめぐるトラブルもけっこうあります。
共用部分に物品が置かれていて
大規模修繕の邪魔になるので撤去させたい、
というようなケースです。

管理費等の滞納は別として、
マンションの事件では、
裁判官は和解を勧めることが多いような気がします。
というのは、
やはりそうはいっても、マンションはたくさんの住民の生活空間であって、
あまり後に恨みつらみを残すような解決はよろしくないのではないか
という考え方からです。

しかし、ときどき
既にわけがわからないぐらい恨みつらみの応酬合戦になっている
マンションがあります。
理事長派と反理事長派でお互いを中傷するビラが飛び交い、
総会開催となれば
理事会は株主総会顔負けの
「総会屋対策」のような作戦会議をしたりしています。
そんなマンションで起こる裁判は、
もはや何のための裁判なのか?と思わざるをえません。

たとえば、
理事長のせいでノイローゼ気味になったから訴える(証拠はない)、
総会での一部住民の発言が名誉毀損だから訴える(証拠はない)・・・
もうこうなってくると、
このマンションをよくしようという目的がどこかへ飛んでしまっています。
すると次第に理事の成り手がいなくなり、
まともな住民は「関わりたくない」とそっぽを向くようになります。
裁判官もこう言って首をかしげます。
「いったいこういう裁判は、だれに何の得があるのですか?」。

無益な裁判を長引かせないように諭すのも
弁護士の務めかもしれませんね。
争いごとを避け、平穏に暮らしたいと願うのがフツーの住民感情です。
裁判しか見えていない人にはわからないんでしょうけど・・・。

裁判を起こすのはもちろん自由です。
弁護士は裁判が商売道具でもあります。
でも、やっぱりギスギスしたマンションを作り出すような裁判は、
正直言って躊躇(ちゅうちょ)を覚えます。





■筆者プロフィール■
弁護士:河住志保(かわすみしほ)
横浜開港法律事務所
平成12年10月弁護士登録。慶応大学法学部卒業。山梨県身延町出身
石川法律事務所、横浜マリン法律事務所を経て、独立
主に少年事件や子どもの権利・法律問題、マンション問題に取り組んでいる
◆関連サイト◆
横浜開港法律事務所 http://www.kaikou-law.com/