〜マンション事件の弁護士費用は
お買い得価格になりがち!?〜

マンションに関する事件は、弁護士にあまり人気がありません。
むしろ「できればやりたくない」という弁護士のほうが多いかもしれません。

なぜか。
それはマンション事件の依頼者の多くが個人ではなく、
管理組合という団体だからです。
団体は人の集まりだから、当然いろいろな人がいます。
まだ新人の女性弁護士というだけで明らかに蔑視するオジサン、
うちの娘と同じ年なのに大変ねえ〜とやけに仲良くしてくれるおかーさん。
ときには管理組合の内部で人間関係の対立が勃発し、
制御不能になることもありますから、
対立しているどちらかの肩を持つようなことをしたら、
逆恨みされかねません。

要は、依頼者がたくさんいるから、
その人たち全部と信頼関係を築いたり、
それぞれの言い分をまとめて裁判所に提出することなどが一筋縄ではいかない、
ということなのです。

また、突然事務所に、
管理規約、登記簿謄本、数年分の総会・理事会議事録等がギッシリ詰まった、
底が抜けそうに重いダンボール箱が届いたりします。
そして、「週末に臨時総会なので、明日までに目を通しておいてください」
などと言われることも。
正直、目まいがします。

でも人気のない一番の理由は、
多大な労力のわりにおカネにならないからかもしれません。
管理組合は管理費から弁護士費用を支出します。
大きな予算はとってないし、
反対意見などが出るとまずいから、
調査費用などはどうしても「最低限」ということになります。
結局、弁護士にとっては、
どうしてもお買い得価格にせざるをえなくなってしまうのです。

そんなわけで、決して「おいしい仕事」にはなり得ないマンション事件。
とてもじゃないけど、マンション事件専門の弁護士などいません。
きっと管理組合にとっても、弁護士にアクセスしにくい状況にあると思います。

双方にとっての悩みどころです。





■筆者プロフィール■
弁護士:河住志保(かわすみしほ)
横浜開港法律事務所
平成12年10月弁護士登録。慶応大学法学部卒業。山梨県身延町出身
石川法律事務所、横浜マリン法律事務所を経て、独立
主に少年事件や子どもの権利・法律問題、マンション問題に取り組んでいる
◆関連サイト◆
横浜開港法律事務所 http://www.kaikou-law.com/