管理会社フロントマンが語る珠玉のエッセイ

〜火事が起きたときはつらかったなぁ… の巻き〜

昨年は、台風、地震、津波と、
世界中で災害が猛威を振るった年でしたね。

当事者の方々はさぞかし辛かったことだろうと思います。
そして、この「災害」という言葉は、昔私が経験した、
とあるマンションの火災事故を思い起こさせます・・・。

出火元は最上階のご家庭でした。
すぐに消防車が駆けつけ、
その火事はほとんど燃え広がることもなく消火されたのですが、
ここで予期しないことが起こったんです。

問題は、住民を救うために放水された「水」でした。

二次被害とでもいうべきでしょうか、
見る見るうちに建物中に広がった大量の水は、ナイアガラの滝のように流れ落ち、
最上階から一階までを水浸しにしたのです。

またこれが、こういう事故を起こすご家庭に限って、
保険に入っていないものなんですよね。

とりあえずは復旧したものの、
階下住戸の家財など水浸しになったものは各戸の保険で賄われました。

出火元のご家族は、
住みづらくなって、すぐに引越しをすることになりました。

引越し当日、
示し合わせたようにご近所さんは誰も送りには出てきませんでした。
ところが、いざ出発という時になって子どもたちが徐々に集まり出したんです。

それは出火元のご家庭のお子さんが、
マンション内で友情を培った友達でした。
親同士の問題なんて、結局子供には関係ないんですよね。

涙ながらに握手を交わし、
姿が見えなくなっても力いっぱい手を振り続ける子ども達。。。

ドラマのような1シーンを目の当たりにすると、
子を持つ親として、不覚にも涙が零れそうになりました。

防災対策はしっかりしましょう。

これは自分やマンションだけでなく、
周辺住民や自分の家族の人生も左右することもあるんですから。




■筆者プロフィール■
黒木 浩(仮名)
昭和36年生。大学卒業後、大手管理会社に就職。将来を有望されるも、一身上の都合で退職。現在は小管理会社で社長の片腕として活躍する。昔から理事会後に「泊まっていけ」と酒に付き合わされるタイプ