管理会社フロントマンが語る珠玉のエッセイ

〜住民トラブルは胃に穴が開く の巻き〜

日本中のフロントマンにとって、
時には胃に穴が開きそうになる国家的重要課題は
住民間のトラブルです。

今年1月、国交省が発表したマンション標準管理規約に
「コミュニティー形成」についての文言が入ったのですが、
その理由は住民トラブルが多いからなんすよ。

だから今回は、
我々がこのためにいかに日夜心を砕き、
中立の立場で、誠心誠意、真剣に取り組んでいるかお話しましょう。

とはいえ、
基本的には奇麗な奥さんがいるほうに肩入れするのが本音ですけどね。
なーんて、ウソですよ、ウソウソ。

ところで、住民トラブルの一位は生活騒音の問題です。
私の担当で、こんな変わった例がありました。
フロントマンの私あてに月に何回も
「階上の音がうるさい、何とかしてほしい」という手紙が届くのですが、
必ず匿名。

しかし手紙は丁寧に挿絵入りで、
騒音の原因がAさんだってことが分かるようになっています。

けれど、それをAさんは絶対明かしません。
それでいて、天井や壁を叩き、階上へイタズラ電話をかけるのです。

「Aさん、何とか話し合いましょうよ」と促しても
「私は何も知りません」の一点張り。
手紙の内容も、
「何時何分にこんな音がした」などと細かくなっているのに、
頑固に匿名は守り、あくまで私たちに白を切り通そうとするのです。

Aさんの行動理由は全くわかりません。

最後は階上の方も怒り出して、私たち管理会社を責め出します。
言っときますけど、これは業務の範囲外ですよ。
管理組合内の問題ですから。

なのに、Aさん、階上の住民、理事会にまで責められるんです。
「何とかしろ」って。

今は迷惑行為がおさまりましたが、匿名の手紙は届きます。
挿絵入りで。

その絵を見るたびに気味が悪くて、胃に穴が開きそうっすよぉ。




■筆者プロフィール■
黒木 浩(仮名)
昭和36年生。大学卒業後、大手管理会社に就職。将来を有望されるも、一身上の都合で退職。現在は小管理会社で社長の片腕として活躍する。昔から理事会後に「泊まっていけ」と酒に付き合わされるタイプ